2014年 7月17日
7月17日(木)の障害の理解は朗読と題して、講師の松永信也先生のエッセー集「風になってください」を視覚障害者向けに音訳や点字翻訳されている方々に朗読していただきました。
松永先生は、数年前に網膜色素変性症のために失明されてからの自身の思いを著したエッセー集「風になってください」を出版されています。失明の苦労話ではなく、現実を受け止めて先生の感じる見えない世界に私たちを招待してくださるような内容になっています。先生にそっと手を差し伸べてくれる人々の優しさへの感謝の気持ち、”人間っていいな”が凝縮されています。
松永先生の書籍は全国の図書館に置かれるだけでなく、朗読CDや点字翻訳されたものが貸し出され多くの視覚障害者に読まれています。最後に学生3人が「風になってください」の中から自分の選んだエピソードを朗読しました。先生は感謝の気持ちを述べられ、「言う側も、言われる側もうれしい言葉それは”ありがとう”という言葉です」と締め括られました。
実際に視覚障害者が新刊を手にするまでに、点字翻訳や音訳など様々な人の手を経なければなりません。また、朗読と音訳も似ているようですが、音訳は同音異語の表現や映画などで情景の切り替わりなども詳細に伝える表現力が求められます。
2014年 7月16日
7月14日の京の文化は豪華2本立て!!午前が南京都学園の田邊眞裕副学園長が「京の城」と題して城郭建築について講義していただきました。そして、午後はおなじみ市田椰良生先生が「京の四季花」ということで4回目、最後の授業を行っていただきました。
田邊先生は以前、南京都高等学校(現:京都廣学館)の校長をされており、出身の2年生は「前の校長先生や!」と、なつかしさで盛り上がっていました!先生は日本の城郭建築に造詣が深く、自宅の関連蔵書は100冊を超える程です。
講義では「あなたの知っているお城を答えなさい」と順番に学生に聞いていくと「大阪城」「二条城」「伏見桃山城」という答えが出ましたが、それらは戦乱や自然災害で焼け落ちて鉄筋コンクリートで再建されたものであったり、模擬天守閣(テーマパークのお城)であったりします。残念なことに現存し、国宝の認定を受けているお城は①姫路城②彦根城③犬山城④松本城だけしかありません。「京の城」は戦略拠点以外に戦国武将の人間模様が表れており、とても魅力的な故に「城好きな高齢者はたくさんいる」と田邊先生に熱く語っていただきました。現在お城は戦争に使われることはありませんが、地域住民の心の象徴だったりします。夏休み帰省して地元に天守閣が見れる学生のみなさんは田邊先生の講義を思い出してくださいね!
午後からは、アトリエ椰良生デザインの空間プロデューサー市田椰良生先生の授業も最終回で集大成となる作品をつくりました。なんと今回の作品はショートケーキの形をした花飾りです。陶器の三角形の器にオアシスを入れてお花を生けるだけでなく、両面テープを付けたリボンを周囲に巻くことでスポンジケーキの断面を表現する徹底ぶりです!!
出来た作品9つを並べるとと、とても美味しそう・・・にできましたが食べることはできません(笑)京の文化はこれでおしまいですが、市田先生はクリスマスリース作りの授業でもう一度お世話になります。京の文化で自身の教養を高めて、その経験が今後介護の現場で活かされればいいですね。
2014年 7月14日オープンキャンパス
7月13日(日)のオープンキャンパスは「お年寄りと一緒に楽しめるスポーツ~ボッチャボール~」でした。
ボッチャボールとは氷上で行うカーリングと同じようなルールで、白の玉に近づくように赤、青のチームがボールを投げて競います。ボールはあまり弾まず転がりにくい仕様で、奥が深いスポーツでパラリンピックの公式種目になっています。ボッチャのいいところは障害があって直接ボールを投げることができなくても、膝にセットするスロープ補助具を用いて投球したり、車椅子でも参加可能なところです。カーリングのように凍えないで、温かい室内でできるのも素晴らしいですね
チームは3人1組で、学生スタッフとオープンキャンパス参加者のミックス編成で組んでプレーしました。写真右は赤チームと青チームの得点板を持つ副校長と校長の両人です
後半は車椅子に座って、利き腕を封印して障害のある人の視点になってプレーしました。両チーム競り合いのシーソーゲームでしたが最後は青チームの勝ちでゲームセット!
施設に入所して寝て、起きて、食べるだけの生活では楽しくありませんので、このような楽しいレクリエーションを本校では体験して学びます。介護施設のボランティアや、支援学校との交流会などでもボッチャボールは実施されている競技なので興味を持った方は参加してみよう!!
2014年 7月8日
7月7日の京の文化は「浴衣で炭坑節」です。七夕はあいにくの雨でしたが、みんな元気に踊りました。
先週に引き続き着物サロン、ラポールさんに来ていただきました。先週の復習なので自分で着るのが目的でしたがやぱっりむずかしいですね最後は先生に手伝ってもらいました。
着替えが終わって、本校のレクリエーション講師の川瀬恵子先生から盆踊りの曲~月が~出た出~た♪♪~でおなじみ「炭坑節」の指導を受けてみんなで踊りました。盆踊りで高齢者とのコミュニケーションができるといいですね!!
オープンキャンパス
7月6日のオープンキャンパス「福祉の用具を使ってみよう」にご参加ありがとうございました。
本校名物教員、藤田佳子先生のスペシャル授業が行われました。
介護とは病気を治すのではなく、生活を支援することです。利用者さんの全ての事をお世話するのではなく、自分で出来そうなことを、支援してあげることに重点をおいています。 もちろん快適に過ごしてもらうためにシーツは三角折りをしてシワを伸ばして、ずれないように最善をつくします。
生活支援で寝起きの占める時間は多く、特にベットの種類や、機能には工夫が見られます。ベットの柵も転落防止以外に、付属の調整ハンドルで上半身を起こしてあげることで弱った腹筋でも柵を捕まることで起き上がりやすくなり、介護する側にも負担軽減になったりします。また、進行していく症状に合わせてベットを買い替えるのは大変なので介護保険を使うことでレンタルをすることも可能だそうです。
自分たちが何気なく行っている寝起きの動作ひとつでも、加齢とともに難しくなります。だからこそ、ベットに求められる機能も変わってきます。短い時間でしたがオープンキャンパス参加者のみなさんもいろいろ感じてもらえたのではないでしょうか
2014年 7月1日オープンキャンパス
次回のオープンキャンパスは
7月6日(日)10:00~
「福祉の用具を使ってみよう」です
本校には様々な福祉用具があります。
特別養護老人ホームや病院等で使われているものが多数そろっているので、
現場さながらの実習授業が受けられます。
オープンキャンパスで実際手に触れてみてください。
新たな発見があるはずですよ~
そして、今回は
本校名物教員、藤田佳子先生のスペシャルオープンキャンパスなので、じっくり体験して頂けます!
ご家族やお友達もご一緒に是非ご参加下さい。
お申込はコチラから↓
https://kyoto-fukushi.mkg.ac.jp/opencampus/oc-application/
2014年 6月26日
「障害の理解」の授業の一環で、1年生が視覚障害者総合福祉施設「京都ライトハウス」へ見学実習に行きました。
会議室で施設の横田さんと本校講師の松永先生に京都ライトハウスの歴史や、概要を説明していただきました。ライトハウスとは視覚障害者にとって光をともす灯台のような存在として命名されたそうです。
施設内を2グループに分かれて横田さんと松永先生に案内していただきました。施設はユニバーサルデザインを取り入れいてトイレやエレベーターなども視覚障害者以外に車椅子の方でも使いやすく設計されています。
施設には点字書籍の図書館や視覚障害者を支援する様々なサービスや日常生活用品が取り扱われています。左上から①文字盤の針を触って時間を確認する指触式時計、②色がわかるように靴下やネクタイにビーズで点字を施すドットテイラー、③新聞の紙面を拡大したり色合いを変更する拡大読書器、④最後に横田さん愛用のブレイルメモという優れものの機械で、点字をタイプして記憶された文字がディスプレイ上に突起で現れます。もちろん点字の読み上げやテキストデータとしても出力可能です。
京都はまだまだ課題はありますが、視覚障害者がすごしやすく多くの方が生活されています。横田さんも「故郷の長崎にいたら出歩かず引籠りになっていたかも(笑)」と言っておられました。このような施設は全国的にも珍しく障害者の複合施設として注目されています。
2014年 6月23日オープンキャンパス
「見えないってどういうこと~アイマスクで白杖体験~」6月21日(土)のオープンキャンパスは本校非常勤講師の松永先生の熱い講義と視覚障害者体験をしていただきました。
日本全国に視覚障害者は全盲3万人、弱視の人が28万人おられるそうです。生まれながらにして目の見えない人、交通事故や病気によって目が見えなくなる人もいます。近年は緑内障や糖尿病が多く、緑内障は人類が発明して50年ほどしか経ってないテレビ画面や液晶を見ることで発症する人が増えています。あと、昔なら命を落とす脳腫瘍も摘出手術で一命を取りとめることができても場所によって失明することもあります。失明の原因は時代によって変わってくるのだそうです。
実際にアイマスクをしてパートナーの手引きで校内を歩く体験をしていただきましたが、段差など注意を促されても歩きにくかったと思います。松永先生は白杖を持っていて困ってそうな人を見たら「何かお手伝いしましょうか?」と勇気を出して声をかけてほしい、これほど助かるとことはないと言っておられました。それは盲導犬を連れておられる方も同じです。
最後に松永先生は「人間は自らの障害を受け入れ乗り越えようとする力を持っています。また、助け合いの福祉の精神を持つのも人間だけです。視力を失った動物を待つのは”死”だけであるが人間はそうでない、京都福祉専門学校に入学できたら障害者の立場を理解し、現場で活躍できる介護福祉士になってほしい」と締めくくられました。